手をかけることと、手を加えすぎないこと。
- ZENBEE

- 8月4日
- 読了時間: 2分
庭を眺めていると、
人の手が入った場所と、
自然のまま残された場所があります。
どちらにも、
それぞれの美しさがあります。
枝を整えることで、
木はより美しく見えることがあります。
一方で、
風の向くままに伸びた枝には、
自然らしい表情があります。
どちらが正しいということではなく、
その景色に合った姿があるのでしょう。
料理も同じように感じます。
素材に手をかけることは大切です。
火を入れる。
味を重ねる。
香りを引き出す。
そうして初めて生まれるおいしさがあります。
その一方で、
旬の野菜や果物を口にしたとき、
「あまり手を加えなくても十分おいしい」と感じることがあります。
素材そのものが持つ力に、
気づかされる瞬間です。
自然は、
いつも静かに仕事をしています。
春には花を咲かせ、
夏には緑を育て、
秋には実りを迎えます。
誰かに見せるためではなく、
いつものように季節を重ねています。
その積み重ねが、
山の景色をつくり、
森の香りを育てています。
ニホンミツバチが集めた蜂蜜も、
自然が長い時間をかけて育てたものです。
花の蜜が集まり、
巣の中で少しずつ熟していく。
その変化はゆっくりで、
目には見えません。
だからこそ、
私たちはその時間を大切にしたいと思っています。
暮らしの中でも、
少し立ち止まることで見えてくるものがあります。
窓を開けたときに入る風。
雨上がりの土の香り。
夕方に伸びる影。
急いでいる日は通り過ぎてしまう景色も、
歩く速度を少しゆるめるだけで、
自然と目に入ってきます。
何かを良くしようと思う気持ちは、
とても大切です。
けれど、
ときには手を加えすぎないことも、
ひとつの選択なのかもしれません。
自然には、
そのままだからこそ感じられる美しさがあります。
今日もどこかで、
風が木々を揺らし、
花にはミツバチが訪れています。
変わらないように見える景色も、
昨日とは少し違う今日を重ねています。
その変化に気づけた日は、
いつもの一日が、
少しだけ穏やかに感じられる気がします。


